月見バーガーはお庭で
今年もこの季節がやってきた。
年に一度私が必ず口にするもの、それは「月見バーガー」である。
何だ、そんなことかと思われるかもしれない。
しかし私は普段「ハンバーガー」というものを一切食べない。妊娠糖尿病になって以来、バーガーにポテトという圧倒的高糖質のものを自然と避けるようになったのだ。
しかし「月見バーガー」だけは別である。
数年前、本当に月をみながら「月見バーガー」を頬張ってみたのだが、風流なのにジャンキーという一見相容れない関係の虜になってしまった。バーガー片手に見る月は、やはり美しく、静かで、凛としていた。そんな月の姿とは対照的に、大きな口を開け、やんちゃにバーガーを頬張る自分がたまらなく可笑しくなり、たちまち爽快な気分になった。その瞬間、その時悩んでいたことが、暗闇にスッと溶けて消えていくような気がして、もうどうでもよくなってしまった。
それ以来、9月になると必ず外で月を見上げながら月見バーガーを食べるというのが恒例行事になった。今年の中秋の名月は9月21日。平日の火曜日なので、少しフライングして、今夜いただこうと思う。月は満月に少し足りない形だが、それくらいが私にはちょうどいい。大切なのは月を愛でる気持ちだ。
今日の私が暮らしの中で愛しいと感じたもの。
それは年に一度、月との美味しい時間を演出してくれる「月見バーガー」。
手軽で無粋かも知れないが、わが家のお月見に欠かせない存在だ。
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