愛しの暮らし

子育て・犬育て・自分育て。暮らしのなかにある愛しいものを綴っています。

海の見える風景


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家から15分ほど車を走らせると、海が見える。

そこにある公園は、アポロもお気に入りのお散歩場所だ。

 

今日はとても天気が良かったので、車を走らせてその海辺の公園まで行ってみた。

潮の香り。

どこまでも続く青い空と海。

あまりに爽やかな風景がまぶしくて思わず目を細めた。

 

幼い子どもと犬をつれていると、よく話しかけられる。今日も年配のご夫婦に「あら、どっちもかわいい!」と声をかけられた。

 

「私たちも犬を飼ってたんですよ。でももう年齢的に飼えなくて。犬をひとりぼっちにしたらかわいそうだから…」

そういうとご主人はしゃがんで、アポロのお尻あたりを優しく触った。

「わんちゃんも子どもさんもいてママは大変だろうけど、二人は幸せそうな顔をしてるわねえ。ママとお散歩できるのが嬉しいのね。」

奥様はニッコリと笑って「じゃあまたね」と子どもにもアポロにも手を振り、その手を当たり前のようにご主人の腕に絡めてお二人は去っていった。

 

腕を組み、時折見つめ合いながら歩く後ろ姿のあまりのステキさに、私はしばらく見とれていた。

 

お二人の間に流れる穏やかな雰囲気。こんな風に歳を重ねたいと思わずにはいられなかった。

 

深く信頼しあい、いろんなことを対話で乗り越えてきたに違いない。勝手な想像だが、苦も楽も分かちあってきた「深み」のようなものを感じた。

 

私は生涯を共にする相手を選ぶ際、唯一大切にしたことがある。それは「生涯対話できる相手」かどうかという点だ。

 

生活がはじまれば綺麗事ではすまされない。子どものこと、お金のこと、仕事のことなど、例え行き詰まったとしても「対話」が滞らなければ解決の糸口は必ず見える。そう信じて今の夫と結婚した。今のところ私のその思いは間違っていなかったように思う。

 

今日の私が暮らしの中で見つけた「幸せな光景」。それは腕を組んで歩く姿があまりにステキなご夫婦。

 

何年後かわからないが、私たちもそうなりたいと思うほど、お二人のあいだには信頼と穏やかさが漂っていた。